Glossary
用語集 - 医療関連用語
NO. | 用語 | 説明 |
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1 | 多能性幹細胞 | 様々な細胞に分化する能力のある細胞のことです。神経細胞や筋細胞などの体を構成する細胞は体細胞と呼ばれ、他の細胞に分化する能力を失っています。一方でES細胞やiPS細胞は、様々な種類の細胞に分化することができ、iPS細胞は[induced-pluripotent stem cell]の略で、『人工多能性幹細胞』と呼ばれています。 |
2 | 成熟した細胞 | 血液細胞(白血球、赤血球、血小板)は、その成長段階で未熟な状態から、本来の役割を果たせる成熟した状態へと変化する過程をたどります。成熟した細胞とは、この本来の役割が果たせるまで成長した細胞のことです。 |
3 | 初期化 | 細胞がそれまでに継承・蓄積してきた厳重な固定化=エピジェネティックな標識を消去・再構成し、受精卵並みの分化能を取り戻すことで「リプログラミング」という言い方もします。 |
4 | サイトカイン | 生理活性タンパク質とも呼ばれ、細胞から分泌される低分子のタンパク質で、細胞間相互作用に関与し周囲の細胞に影響を与えています。ヒトiPS細胞培養上清液中には、明らかになっているものだけでも、IGF-1、TGF-β1、VEGF、HGFなど、数百種類のサイトカインが含まれています。 |
5 | 成長因子 | 細胞の増殖や分化を促進する内因性のタンパク質で、様々な生理現象の調節に働いており、細胞間のシグナル伝達物質として働いています。 |
6 | エクソソーム | 細胞から分泌される細胞外小胞の一種で体液にも含まれており、体内を循環しています。細胞同士のコミュニケーションを担っており、メッセージを受け取った細胞の形質を変化させ、様々な生理現象の制御に関わっています。機能は概ねその由来細胞の性質を反映すると考えられており、間葉系幹細胞が持つ、炎症抑制効果、細胞増殖促進効果、血管新生促進効果などが、パラクライン的に組織修復をする報告がされています。さらに特定の限られた疾患に限らず、障害部位を探し当てて、自発的にその部位へと集積する「ホーミング」という能力を持っており、損傷箇所や疾患に対して修復・再生効果が期待できるとの報告もされています。 |
7 | 酵素 | 生物が物質を消化し吸収・分布・代謝・排泄するまでのあらゆる過程に関与しており、生体が物質を変化させて利用するのに欠かせないものです。タンパク質で構成されており熱やpHによる変性を受けやすい特性を有しています。 |
8 | 細胞外マトリックス | 細胞にとっての足場を提供し、細胞の分化を促し、構築のサポートなどといった、物理的サポートを担うだけではなく、細胞に対して合図を出すという重要な働きもあることが報告されています。コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などがこれらにあたり、ヒトiPS細胞培養上清液にも細胞外マトリックスが含まれています。 |
9 | 心筋細胞シート | ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞(iPS心筋)を主成分とした他家細胞治療薬であり、シート状に加工された細胞を、心臓に移植します。心臓移植や人工心臓装着以外に有効な治療法がない重症心不全の患者さんを対象とし、心機能の改善や心不全状態からの回復等の治療効果が期待されています。 |
10 | 自家移植 | 本人の細胞や組織を活用し、その細胞や組織をそのままもしくは加工・培養するなどして、本人の体内に戻すことです。 |
11 | 他家移植 | 他人から採取した細胞や組織を加工・培養するなどして、採取した人とは別の人に移植する方法です。免疫拒絶反応が起こるリスクがあるため、注意する必要があります。 |
12 | 免疫拒絶反応 | 再生医療等の移植医療では、人体に有益であるはずの自分自身の免疫が逆に治療の妨げになることがあります。例えば他人の臓器を移植された場合、移植された臓器(移植片)が免疫反応により異物と認識されます。異物として認識された移植片は免疫反応により、排除されてしまうのです。これを免疫拒絶反応と呼んでいます。 |
13 | 細胞培養 | (血液や組織を材料として)人体から採取した細胞を分離して体外で増殖、維持することです。生体外で培養されている細胞のことを培養細胞と呼びます。 |
14 | HIV | 「Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)」の略。リンパ球が破壊され、病気の原因となるウイルスや、 がんなどの深刻な病気にかかりやすくなります。 |
15 | HTLV-1 | 「Human T-cell Leukemia Virus Type1(ヒトT細胞白血病ウイルス)」の略。 白血病やリンパ腫等を引き起こすウイルスのことです。 |
16 | ウイルスベクター | ベクターとは様々な遺伝子を特定の細胞・組織に運搬し、効果的に標的細胞内で発現させる能力を持つ遺伝子の運び屋となる物質です。ウイルスベクターは、自然界に存在するウイルスを人体に無害なように改変したものを、ベクター(遺伝子の運び屋)として使用する技術です。 |
17 | センダイウイルスベクター (SeVベクター) |
ウイルスベクターの多くは染色体が存在する核の中まで遺伝子を運び込んで働くため、遺伝子を変化させてしまう可能性があり、ときにはガンを引き起こす可能性もあると言われています。一方でセンダイウイルスベクター(SeVベクター)は核の中に入り込まずに運び込んだ遺伝子を核の外で働かせることができるため、このような障害を起こすことがありません。 iCELL BANKでは、センダイウイルスベクターをベクターに使用し、iPS細胞の作製に必要な遺伝子を細胞に送り届けます。センダイウイルスベクターは、このように「安全性」及び「導入効率性が高い」という二つの特長を有しており、現段階では世界で最も迅速に質の高いiPS細胞を作製することを可能にしたウイルスベクターです。 |
18 | 染色体 | 遺伝情報を担う生体物質のことで、この遺伝情報に基づき細胞や生体成分が作られ、また複製されることで遺伝情報が子孫へ伝達されます。染色体は細胞の核の中だけにあります。 人の場合、全ての細胞に23対(計46本)の同じ染色体が入っており、染色体全体では2万を超える数の遺伝子が含まれています。 |
19 | EMR | Electronic Medical Recordの略。デジタル版の個人医療データであり、基本属性データや医療記録の他、検査データ、放射線診断データ、薬剤データなどの臨床記録が含まれます。 iCELL BANKでは、申込者ご自身の電子記録に自由にアクセスする手段を提供します。 また、EMRの管理者が提供する質の高い医療情報を入手することができます。これによりiCELL BANKの申込者は、セキュリティが確保されたWebポータルを利用して、自身の医療情報だけでなく管理者との双方向の情報交換が可能となります。このようなデータのやり取りには情報の確かさやシステムの安全性が守られていることが必要です。EMRではシステムを改ざんやシステムダウンから守る最も強力なブロックチェーンと呼ばれる技術を使っております。この安全性技術は金融系などシステムの安全性が厳しく求められる分野でも使われている技術です。 |